「ニッキ棒」を探し出せ!
時代の変遷とともにどの様なものにも流行り廃りがございます。
前の平成で流行ったものといえば、ポケベル、たまごっち、プレイステーション、
ポケ ットモンスター、SLAM DUNK、妖怪ウオッチ、だんご3兄弟、
安室奈美恵、浜崎 あゆみ、モーニング娘、ナタデココ、ティラミス、タピオカ、、、etc
ざっと挙げただけでもこれだけ出てきますし、
今でも変わらず親しまれているものも ありますね。
昭和で挙げていくならまだ出てくるかも知れませんが、
挙げていくときりがないので 今回は、
昭和30年代~40年代生まれなら分かるかもしれない流行り?
のアイテム にフォーカスしてみます。
そのアイテムは「ニッキ棒」といいます。

クスノキ科の肉桂という木の根っこを乾かしてカットしたものです。
これを齧ると表皮からハッカの様な味がするので、
チュウチュウ吸って味を楽しむって棒なんです。
分類すると、れっきとした食物に入り、
樹皮は細かく粉砕して香辛料として使われています。
生八つ橋を食べたときに後からツンと清涼感ある風味を感じると思いますが、
あれがニッキの味です!

昔の人からするとガムやミントタブレットの様な存在だったのでしょうか(‘;’)

私がまだ小学生時には駄菓子屋(鹿児島県薩摩川内市)には
当たり前に置いてありました。

記憶が正しければ、輪ゴムで束になったものが特に包装もされず
剝き出しで置いてあったと思います(‘;’)
昭和の子供達はそんなこと気にもせずにカミカミ、チュウチュウしていました。
つい最近、ニッキ棒のことをふと思い出し、今も販売されているのか知りたくなり、
先ずはネット検索してみました。
シナモン棒というのはあるみたいですが、ニッキ棒はなかなかヒットしません(‘;’)
それどころか、入手が非常に困難、
市販品はもう見つからないというコメントが多くを占めています。
以前熊本のテレビ局でニッキ棒を探す企画がありましたが、
販売しているお店に辿り着けなかったと思います(‘;’)
もしかしたら、たまたまタイミング悪く見つけられなかったのでは?
と思い家から近い新町の駄菓子屋さんを二軒訪れてみました。

ご年配の店員さんに尋ねましたが、二軒とも残念ながら置いてないという返事でした。
しかし、ニッキ棒って何ですか?と逆に尋ねられることもなく、
平然と答えてくださるその表情からは存在はもちろん知っているよという
老舗のプライド、余裕が窺えるようでした。
後日、水前寺公園前の参道のお店も訪ねてみましたが置いてありませんでした。
その後、会社の人達にも聞いてみましたが、存在自体を知らない、
または木の棒を齧ったりして大丈夫なのか⁉、
はたまた、売っていたのは鹿児島だけだったのでは⁉
という反応、意見の中、ただ一人、
K社員が御船の山に根っこ堀りに行って、
齧っていたという貴重な証言をしてくださいました!

流通品ではなく、山まで探しに行って根っこを入手していたなんて、
同じ50代といえど後半ともなるとさすがワイルドさが一段と違う( ゚Д゚)!
根っこだけじゃなく、葉っぱもチュウチュウしていたらしいです(゜o゜)
まさに野生児、山っこですね!
とても貴重な証言ありがとうございました(*‘∀‘)
その後は有力な手掛かりもなく1カ月程経ったある日、
意外なところから一気に急展開しました!
以前ニッキ棒の話を聞いてくださったお客様が、
知り合いの剪定屋さんにその話をしたところ、
ニッキを植えてある家を知っていて、そこの住人の方に連絡を取って
根っこを貰って来てくださるという話になりました(^^)v
無事にお客様邸に届けられた根っこは洗浄、乾燥、カットまで
お願いすることにしました。
まさに感謝、感謝です(^^)
そして、これが出来上がった「ニッキ棒」です!

見た目は駄菓子屋で販売されていたのとそう変わりないと思います。
そして、約40年ぶりにその味を確かめます。
、、、、、甘い(*‘∀‘)!
樹皮を軽く齧ってチュウチュウ吸ったら、甘味の後にスゥ~と
清涼感あるニッキ特有の風味が舌に残ります。
50代にもなると味覚が変わるんでしょうね。清涼感より甘味を特に感じます。
会社の方々にも配りましたが、棒を齧るという行為に
おそらく抵抗を感じたと思います(^^;
家に持ち帰ってみましたが、これがまた散々な評価でした(-ω-)
しかし、懐かしい思い出が蘇り、それは楽しい瞬間でもありました。
「知ってる人には懐かしく知らない人には新しい」そんな話でした(^-^)

